あまりにも沢山ポイントをもらえ過ぎてしまうと、 何か怪しいと感じて敢えてポイントをもらうのを回避してしまうことはありませんか?
実は自分がそうだったのですが、 その背景が分かった今となってはただ単に優遇されるのを断っていただけでほとんど意味のない行為でした。
ポイントの大量ばらまきは特に怪しいものではなく、何か良からぬ裏がある訳ではないので、 その背景を理解して自信を持って正々堂々と自信を持ってポイントを獲得してください。
ポイントの大量ばらまきは、時代の過渡期である現在に様々な理由が重なり合って起きている現象ではありますが、 ここではその大きな牽引役となっているテレビ広告の衰退、SNSの普及、そして共通ポイントの競争激化 という3つの要素からこの特異な状況を紐解いてみたいと思います。
目次
テレビ広告の衰退
テレビ広告が衰退するとどうしてポイントがばらまかれるのか、すぐに結び付かない人もいると思いますが、 これは人々がかつて程テレビCMを見なくなったからです。
かつてであれば、例えば新商品を発売する時はテレビCMを大量に流して告知して、お店に商品を配置すれば済みました。 人々はテレビCMを見て新商品が発売されたことを知り、欲しければそれを求めてお店へ足を運び、購入しました。
しかし、今はどうでしょうか。 テレビを見ない人はいくらテレビCMを流されても新商品の発売を知ることはありません、 知らないのでそれを求めませんし、求めてないのでそれを求めてお店へ足を運ぶこともなく、購入されません。
そこで考え出された一つの方法が、消費者にダイレクトに広告宣伝費をばらまこう、というものです。 今までテレビCM等別のところでで使われていた膨大な広告宣伝費を、テレビCMに使うのではなく直接消費者に使おうという発想です。
そうすることで、ポイントを餌に消費者に新商品を告知したり、購入を促したりすることができます。
その結果、例えば無料アプリをダウンロードするだけでポイントをもらえたり、 購入金額の100%のポイントが還元されたりといったことが起こります。
このような広告宣伝活動は主にポイントサイトを通して行われてきましたが、 最近ではSNSや共通ポイント等を通して行われることも多くなってきました。
消費者の側からすると意味不明にポイントが付与されるので、 金の力にものを言わせて何かしようとしていて怪しい!となるかも知れませんが、 付与する側から見たら何も変わりません。 今までと同じように金の力にものを言わせて商品を売ろうとしているだけです。 商品を宣伝したいだけなのです。
これは裏を返すと、新商品の発売や新サービスのリリース、また既存商品や既存サービスのリニューアル等、 企業が消費者に何かを告知したい時、ポイントのばらまきが行われる可能性が高いということになります。
そして、今という時代は、企業側がテレビ局や広告代理店にだけではなく、 我々消費者にもその広告宣伝費の一部を直接与えてくれるというのだから、 それはありがたく戴いておきましょう。
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SNSの普及
これはインターネットの発達と言い換えることもできますが、 その中でも特に(誰でも簡単に情報発信ができる)SNSが広く使われるようになった影響は大きいでしょう。
例えば、あるアプリの利用を促したい時に
「新規アプリリリース!どうぞご利用ください!」
という広告をSNS上に流した時、 一体どのくらいの人が利用してくれるでしょうか。
元々興味のある人は利用してくれるかも知れませんが、興味のない人にとってはそれで終わりです。
では、少し変えて
「新規アプリリリース!どうぞご利用ください!今なら500円分のポイントプレゼント!」
という広告をSNS上に流した場合はどうでしょう。
これなら、500円分のポイントがもらえるならと、元々は興味のない人も利用してくれるかも知れませんし、 おいしいキャンペーンやってるぞ!ということSNS上で広告をシェアしてもらえるかも知れません。
SNSの利用者が広告をシェアしてくれるというのは、自分たちの代わりに宣伝をしてくれるということに他ならない訳で、 これは企業側としては、自分たちは何もしなくても利用者が勝手に宣伝してくれるというとても効果的な広告手法になります。
これは単純、ではありながら最近とてもよくある例です。
このように単純な例の他にも、例えば30%ポイント還元セールや全品半額セール等、 大きなセールを行った場合、それだけで話題になりSNS上でシェアされる可能性が高くなる訳で、 セールの内容自体が自身の広告を兼ね備えたセール、つまり広告宣伝費を消費者が受け取ることのできるセールであると言えます。
最近はこのように企業側が広告の拡散を狙って消費者に直接ポイントやそれに代わる恩恵を付与することが多くなっており、 その拡散の可能性は、投入された広告宣伝費に比例するため、結果として大きなばらまきへと繋がります。
このような戦略を取る広告の場合、おいしい情報は拡散された情報として我々の元に届くことになるので、 普段SNSを利用した情報発信はしないという人でも、情報の閲覧だけはしておくとおいしい情報をゲットできる可能性が高まるでしょう。
共通ポイント制度の競争激化
楽天スーパーポイント、Tポイント、dポイント、Ponta等、所謂共通ポイントと呼ばれるポイント制度が世に登場して久しいですが、 現在、共通ポイントの世界では激しい競争が繰り広げられており、そのとばっちりとして消費者が大量のポイントを被弾するというとてもおいしい状況になっています。
なぜそんなにしてまで競争を繰り広げるのかというと、共通ポイントというビジネスには規模が必要だからです (例えばビッグデータの収集や加盟店からの手数料収入)。
ポイント制度を運営する企業にとっては、そのポイントの流通量が多ければ多いほど、利用者が多ければ多いほど、加盟店が多ければ多いほど良い訳です。
また、利用者にとっては加盟店(使える場所)が多ければ多いほど魅力的なポイント制度となり、 加盟店にとっては利用者が多ければ多いほど魅力的なポイント制度となるため、 規模を拡大するには規模を拡大することが規模の拡大に繋がるということになります。
そのため、各社とも利用者にポイントをばらまいて自社のポイント制度に囲い込もうという戦略に出ており、 その結果激しいポイントのばらまき合いになっています。
ポイント制度の利用者を増やす方法は色々あると思いますが、単純な方法としてはそのポイントをばらまいてしまえば良い訳です。
もしあなたがある共通ポイントを普段使っていなかったとしても、ただ同然でポイントを与えられたらどうするでしょう、 使ってみますよね。とは言っても一時的なもので継続的にそのポイントを利用するかどうかは分かりませんよね。
では継続的にただ同然でポイントを与えられたらどうでしょう、 やっぱり使ってみますよね、しかも継続的にくれるので継続的に使いますよね、立派な利用者のできあがりという訳です。
そうした恩恵を受け続けている内に、我々消費者の多くは共通ポイントを利用するのが当たり前になり、 かつてはしていたかも知れない共通ポイント制度を利用しなかった場合との比較を行うこともなくなり、 いつしか何も考えずに共通ポイント制度を利用するようになるでしょう、そうなれば囲い込み完了です。
後は満足のできるレベルで共通ポイントの規模が広がった時、もしくは競争に勝利して他社がくたばった時、さりげなくポイントの付与を絞っていけばいい訳です。
囲い込みが完了した後には回収が待っていると思われるので、 共通ポイント各社がジャックポット状態となっている今の内にしっかりもらっておきましょう。
共通ポイント各社のポイント大量ばらまきに対して、 本当にこんなに沢山ポイントをもらっていいの?何か代償があるのでは?と思ってしまう人もいると思いますが、 それはおそらく将来ポイント還元率の激減という形で代償を支払うことになると思うので大丈夫です、 将来支払う代償を今還元してもらっているだけです、安心してポイントを獲得しましょう。
そして将来代償を支払いたくないという人は、注意深く共通ポイント制度の動向を観察してください。 回収モードに入るタイミングを観察することができるはずです。そしてそれを観察したら人知れず離脱しましょう。
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終わりに
ポイント大量ばらまきの背景とは、突き詰めると広告宣伝費のばらまきであり、 ポイントを餌に消費者を釣り上げようという広告宣伝活動の一環です。
今までテレビCMに投入されていたような広告宣伝費を、 我々消費者を釣るために利用してくれるというのですから、 自信を持って正々堂々とその餌に食いつきましょう。
企業は商品が売れて嬉しい、我々消費者はポイントがもらえて嬉しい、Win-Winです。