ポイント還元率がそのまま割引率になる訳ではない、というのはなんとなく分かってはいても、具体的に計算したことのない人も多いのではないでしょうか。 今回はポイント還元率と割引率の関係、そしてポイント還元率から割引率を計算する方法についてご紹介したいと思います。
基本的には次の2点を抑えておけば問題ないと思いますが、
- ポイント利用に対してはポイントが付与されない場合
- 割引率は還元率よりも低くなる。
- ポイント利用に対してもポイントが付与される場合
- 割引率は、獲得したポイントを再利用すればする程、還元率に近づく
商品が直接値引きされる割引セールと、商品が間接的に値引きされるポイント還元セールとの間で 商品の安さを比較する時等に、還元率から割引率を求める方法を知っていると便利です。
目次
100%ポイント還元は50%割引
極端な例ですが、例えば、
1万円の商品を100%ポイント還元で購入した場合
割引率は、ポイント利用に対してもポイントが付与されるか否かで次のようになります。
- ポイント利用に対してはポイントが付与されない場合
- 割引率50%
- ポイント利用に対してもポイントが付与される場合
- 割引率は限りなく100%
どうしてこうなるのか、それぞれの場合に分けて考えてみましょう。
ポイント利用に対してはポイントが付与されない場合
初回の購入、2回目の購入伴に同一の条件で商品を購入するとして
初回:1万円の商品を購入
2回目:獲得した1万円分のポイントで1万円の商品を購入
ポイント利用に対してはポイントが付与されないので、2回目の購入で全てのポイントを使い切り、 もうこれ以上ポイントによる買い物はできません。
そして、この時、
1万円を支払い、2万円分の商品を手に入れた
ことになります。つまり50%割引*1です。
*1 ポイント還元率を半分にした値が割引率になる、という訳ではないので注意してください。
ポイント利用に対してもポイントが付与される場合
同様に同じ条件で商品を購入するとして、
初回:1万円の商品を購入
2回目:獲得した1万円分のポイントで1万円の商品を購入
ポイント利用に対してもポイントが付与されるので、再び1万円分のポイントが発生し、更に1万円分のポイントによる買い物をすることができます。
そして、この時、
1万円を支払い、2万円分の商品と1万円分のポイントを手に入れた
ことになります。
この時点では、1万円を支払い、2万円の商品を手に入れているので、割引率は50%ですが、 獲得したポイントを再利用し続けることで、例えば、
1万円を支払い、100万円分の商品と1万円分のポイントを手に入れた
という状況が訪れます。
この時、1万円を支払い、100万円の商品を手に入れているので、割引率は99%となります。
ポイント利用によって発生したポイントの使い方次第ですが、ポイント利用に対してもポイントが付与される場合は、 獲得したポイントを再利用し続ければし続ける程、割引率は限りなく還元率の100%*2に近づいていきます。
*2 100%ポイント還元の場合に限った話ではなく、ポイント利用に対してもポイントが付与される場合、 獲得したポイントを再利用してポイントを獲得し続けることで、割引率は限りなく還元率へ近づいていきます。 例えばポイント還元率30%の場合の割引率は、ポイントを再利用し続けることで、限りなく30%に近づいていきます。
真の割引率を計算しよう
ポイント還元率から真の割引率を導くには、
支払った金額の総額を手に入れた商品の総額で割る
ことで得ることができます。
言葉だけでは分かりにくいと思うので、具体例で考えてみましょう。
ポイント利用に対してはポイントが付与されない場合
例えば、
ポイント還元率が20%
である場合。
初回:1万円の商品を購入
2回目:獲得した2千円分のポイントで2千円の商品を購入
した場合、
支払った金額の総額は1万円、手に入れた商品の総額は1万2千円
なので、
1万円 ÷ 1万2千円 で 0.8333
つまり
1万円 は 1万2千円 の 83.33%
であるので、割り引かれた分は、
100% - 83.33% で 16.67%割引
となります。
ポイント利用に対してはポイントが付与されない場合、 割引率と還元率の差は、次の表のように、還元率が大きくなればなるほど広がります。
還元率 | 割引率 |
---|---|
10% | 09.10% |
20% | 16.67% |
30% | 23.08% |
40% | 28.58% |
50% | 33.34% |
60% | 37.50% |
70% | 41.18% |
80% | 44.45% |
90% | 47.37% |
100% | 50.00% |
ポイント利用に対してもポイントが付与される場合
例えば、
ポイント還元率が20%
である場合。
初回:1万円の商品を購入
2回目:獲得した2千円分のポイントで更に2千円の商品を購入
3回目:獲得した400円分のポイントで400円の商品を購入
4回目:獲得した80円分のポイントで80円の商品を購入
5回目:獲得した16円分のポイントで16円の商品を購入
した場合、
支払った金額の総額は1万円、手に入れた商品の総額は1万2千496円
なので、
1万円 ÷ 1万2千496円 で 0.8002
つまり
1万円 は 1万2千496円 の 80.02%
であるので、割り引かれた分は、
100% - 80.02% で 19.97%割引
となります。
ポイント利用に対してもポイントが付与される場合、 割引率はポイントを再利用すればする程、還元率の値に近づきます。
複雑なケース
楽天市場のように楽天カード利用時にプラス3%のポイントが上乗せされるような場合、 ポイント利用の場合はクレジットカードを利用できませんので、その分のポイントはもらえないことになりますし、 ポイントで全額決済しない場合は新たに現金による支払いも必要となる等、 実際の消費行動から真の割引率を得るには少し計算が複雑になるケースも多々あると思いますが、
考えるべきことは同じで、
支払った金額の総額を手に入れた商品の総額で割る
ということです。
例えば、
ポイント還元率10%、内3%分はクレジットカード利用特典
である場合。
ポイントによる支払いの他は全てクレジットカードで行うものとして、
初回:1万円の商品を購入
2回目:獲得した千円分のポイントに千円を足して2千円の商品を購入
3回目:獲得した170円分のポイントで170円の商品を購入
4回目:獲得した11円分のポイントで11円分の商品を購入
した場合、
支払った金額の総額は1万2千円、手に入れた商品の総額は1万2千181円
なので、
1万1千円 ÷ 1万2千181円 で 0.9030
つまり
1万1千円 は 1万2千181円 の 90.30%
であるので、割り引かれた分は、
100% - 90.30% で 9.7%割引
となります。
まとめ
実際のところ、今回紹介したように細かく計算することはないと思いますが、 還元率から割引率を得る方法は知っておいて損はないと思います。
また、今回のテーマに沿って言うと、ポイント還元の商品を購入するにあたっては、次の点を考慮すると良いと思います。
- ポイント利用に対してはポイントは付与されない場合
- 実際の割引率はポイント還元率よりも低いので、よく考えないとポイント還元率は大きくても、割引率はそうでもない可能性がある。
- ポイント利用に対してもポイントが付与される場合
- 実際の割引率とポイント還元率の乖離は、ポイントを再利用することでほぼなくなるので、ポイント還元率が大きければ割引率も大きい。
見せかけの数字の大きさに踊らされることなく、本当に安い商品を見極めましょう。